◆女子プロゴルフツアー 延田グループ・マスターズＧＣレディース プロアマ戦が２２日、兵庫県のマスターズＧＣ（６５６２ヤード、パー７２）で開催され、国内外の注目選手たちが集結した。本大会は賞金総額２億円のビッグトーナメントとして知られ、２３日から本戦がスタートする。プロアマ戦では、トップ選手たちがリラックスした雰囲気の中でプレーを行い、観客やメディアに向けてその魅力を披露した。
渋野日向子（サントリー）は、このプロアマ戦で前巨人監督の原辰徳氏（６７）と同組でラウンドした。ソフトボール経験者でもある渋野は、原氏との会話を楽しみながら、１８ホールを充実して過ごした。「重みのある言葉をいただけて、すごく、超楽しい一日でした」と笑顔を見せた。
渋野は原氏に「今まで見てきたなかで誰が一番バッティングうまいですか？」と尋ね、返ってきた答えは高橋由伸と阿部慎之助の名前だった。さらに原氏は「硬い物と硬い物がぶつかって飛ばしている時はバッティングはダメなんだ。ゴムとゴムみたいな感じで打てている時の方が調子がいいんだ」と語った。この言葉に渋野は「ゴルフもそう。ゴルフも野球もつながるところがたくさんあった」と共感し、スポーツにおける技術や感覚の共通点について新たな気づきを得た。
ラウンド終了後、原氏は報道陣に「アスリート、プロっていうのは常に戦いだから。チャレンジャーだから。試合前というのは不安、期待、いろんなものを持ち合わせた状態で戦い抜かなきゃいけない。それが厳しさ。彼女もそういうところで戦っている」とコメントした。渋野はこの言葉を聞き、「そう言っていただけてすごくうれしい」と感激した表情を見せた。
渋野はパッティングの課題についても率直に語った。「パッティングが最近打てていない。今日も、弱い…っていうのを目の前で見せてしまった」と振り返り、原氏から「強い時に入ったでしょ？」「強く打つのがしぶこなんだから」と励ましの言葉を受け、改めて心の持ち方を見直す機会となった。彼女は「頭のどこかに寄せにいこうとか、ジャストタッチで入れようとかあったりするから。もっと心から強気で昔は行っていた」と語り、強気なプレースタイルを取り戻す決意を示した。
今大会は、渋野にとって４週連続の国内ツアー参戦の３戦目である。前週の富士通レディースでは初日を首位で出発しながら、最終的には４０位に終わった。「いい感じ、と思いたいけど、本当に日替わりだし、難しいなあと思いながら毎日過ごしております」と現状を語る。渋野は「緊張感のなかで打てるかっていうところも大事。モジモジするとよくない。他にもやらなきゃいけないことがいっぱいある。それを一個でも減らしていけるように、試合の中で結果を残していかないと」と語り、チャレンジャーとしての意識を強く持ち続けている。
プロアマ戦は、選手たちがリラックスした状態でプレーを確認できる貴重な場である。渋野は原氏との会話やアドバイスを通じて、自身のゴルフ技術やメンタル面を振り返ることができた。また、試合前の緊張や期待、日々のコンディション変化に対処する方法を再確認する機会にもなった。
観客席からは拍手や歓声が絶えず、選手たちの緊張感と興奮が入り混じった空気が広がった。渋野は「一打一打に全力を注ぐことの大切さ」を改めて実感し、プロアマ戦を通じて自分自身のプレーを客観的に見つめることができたという。
国内女子ツアーは連戦が続くため、体力管理や集中力の維持が鍵となる。渋野は「日によって調子が変わる。過去の経験を活かしながら、新たな挑戦にも積極的に臨む」と語り、プロとして戦う覚悟を示した。
原氏から受けたアドバイスは、単なる励ましにとどまらず、技術的なヒントも含まれていた。渋野は「強気で攻める姿勢」が、プレースタイルやメンタル面に好影響を与えたことを実感している。試合を通じて、弱点を克服しながら自分の強みを活かす戦略を模索しているという。
プロアマ戦後も渋野は練習グリーンで入念に調整を行い、パッティングやアプローチの確認を欠かさなかった。彼女は「日々の練習で少しずつ自信を積み重ねることが大事」と述べ、試合での成果につなげる意欲を示した。
選手たちはプロアマ戦を通じて、リラックスした環境でのプレーや戦略の確認、観客との交流など、多くの学びを得る。渋野も「技術の確認と同時に、心の余裕を作る練習にもなった」と語り、試合に向けた心の準備も整えた。
大会開幕に向けて、選手たちは最終調整を行い、集中力と自信を高める。渋野は「チャレンジャーとしての心構え」を胸に、ティーグラウンドに立つ準備を進めている。彼女の目には、集中と期待が入り混じった強い意志が見て取れる。
試合を通じて、自分の弱点と向き合いながら、強みを活かす戦い方を模索する。渋野は「毎日違う状況だからこそ、学びがある」と語り、挑戦者としての姿勢を示した。
プロアマ戦は単なる交流イベントではなく、技術と精神を磨く場でもある。渋野は「一打一打を大切にする気持ちを忘れず、試合に臨む」と決意を新たにした。観客やメディアの声援も選手たちのモチベーションを後押しする要素となり、渋野は「応援に応えられるよう、集中してプレーすることが大事」と語った。
本大会での成績は、渋野にとってさらなる成長の糧となる。技術、メンタル、戦略の三拍子が揃ってこそ、優勝への道が開ける。渋野は「原さんからのアドバイスを活かし、自分らしいゴルフを追求する」と意欲を示し、国内女子ゴルフ界に新たな風を吹き込む存在である。
これから始まる本戦に向けて、渋野は集中力と自信を高め、チャレンジャーとしての戦いを続ける準備を整えている。プロアマ戦で得た経験や学びは、彼女の今後のゴルフ人生において大きな糧となることは間違いない。
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