米女子ゴルフツアー「FM選手権」の初日、マサチューセッツ州TPCボストンで行われたラウンドは、渋野日向子にとって試練の幕開けとなった。6533ヤード、パー72のタフなコースを舞台に、彼女は2バーディー、4ボギーの74、2オーバーでホールアウト。順位は107位に沈み、予選通過のカットライン（1アンダー）から大きく遅れる厳しいスタートとなった。
序盤は落ち着いたプレーでスコアをまとめ、イーブンパーで進んでいたが、終盤に訪れた連続ボギーが流れを断ち切った。特に最終9番パー4では、約5メートルのバーディーパットを強めに打ちすぎ、返しも外しての3パット。天を仰いだその表情は、悔しさと無念を隠せない姿だった。
フェアウエーキープ率は64％、パーオン率は67％と数字的には悪くない。しかし、パット数32が示す通り、決めるべきパットが決まらずリズムに乗れなかった。1打のズレが大きな差となる世界で、渋野は苦しい現実を突きつけられた。
年間ポイントランキングでは現在96位。来季のフルシード権を確保するためには80位以内が必要であり、予選落ちは避けられない状況。2日目はまさに運命を左右する大一番となる。渋野本人も「パー5で取り切れなかったのがすごく悔しい」「グリーンを外したところで全てボギーになっている」と振り返り、課題の多さを痛感している。
ドライバーでは269ヤードを記録したが、「たまたま飛んだ1発」と語り、安定感や精度の不足を自覚。飛距離ではなく正確性、そしてメンタルの安定が求められている。彼女は「明日は午後スタートで雨予報だけど、しっかり練習して頑張ります」と前を向いた。
渋野にとって2019年の全英女子オープン優勝は今も鮮烈な記憶だが、その後はスランプや試行錯誤が続いている。それでもファンは「スマイルシンデレラ」の復活を信じて応援し続けている。今回の結果は決して満足のいくものではないが、ゴルフは次の一打で流れを変えられるスポーツ。渋野にとって2日目は大きなチャンスでもある。
彼女が崖っぷちの状況からどんなゴルフを見せるのか、注目が集まる。悔しさを糧に、笑顔を取り戻せるか。挑戦はまだ始まったばかりだ。
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「渋野日向子、FM選手権初日で107位発進 予選通過へ正念場の第2日へ」
渋野 日向子
