アジアシリーズ進出とシード獲得へ　渋野日向子はポイント積み上げ必須も「焦りたくない」

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ディスクリプション（約語）
シーズンもいよいよ終盤を迎え、渋野日向子にとって今大会は極めて重要な意味を持つ。現在CMEグローブ・ポイントランキングでは93位。来季シード権を保証するカテゴリー1に入るためには、80位以内に滑り込む必要がある。アジアシリーズへの出場も懸かっており、まさに背水の陣での戦いが続いている。
渋野は「予選落ちはできない」と強い覚悟を口にする。しかし一方で「焦りたくない」とも語り、冷静に状況を受け止めている。ポイントを積み上げなければならない現実と、気負いすぎればプレーが崩れるというジレンマ。そのバランスをいかに取るかが、彼女の勝負の鍵となる。
カナダ・トロントでのCPKC女子オープンは、渋野にとって初めての舞台だ。長距離移動を終えた後も「体調は普通に元気」と語り、プロアマでコースを回るなど順調な調整を続けている。観光名所として有名なナイアガラの滝にも興味を示しつつ、やはり意識は試合に集中している様子だ。
今季、彼女が最も課題に挙げているのはティショットだ。自分の身体をコントロールできなければ、ボールのコントロールも難しい。「なかなか難しいなと思いながらやっている」と率直に語る一方で、「ごちゃごちゃしたまま打たないように」と常に冷静さを心がけている。
ミシサガG＆CCのコースはラフが非常に粘り強く、一度打ち込むと大きなリスクにつながる。また、グリーンには複雑なアンジュレーションがあり、距離感のズレが即スコアに直結する難コースだ。渋野は「目線的に難しいティショットがある」と分析し、力任せに振るのではなく、コントロール重視のプレーを選択する意向を示した。
「落ち着いてやりたい」という言葉には、彼女のゴルフ哲学が凝縮されている。勝負の場面でこそ冷静に判断し、一打一打に集中する。焦りや迷いを抑え、自然体で戦うことこそが結果につながると信じている。
残り11試合しかないシーズンの中で、渋野は一歩も退けない状況にある。だが、彼女の持ち味は常に挑戦し続ける姿勢だ。2019年の全英女子オープンで見せたような思い切りの良さと笑顔を取り戻せるかどうか。ファンもまた、その一打一打を固唾をのんで見守っている。
「4日間しっかり戦っていい位置で終えたい」という言葉はシンプルだが、そこに込められた決意は揺るぎない。ポイントを積み重ね、ランキングを押し上げることで未来を切り拓く。そのために必要なのは、結果だけではなく、プレーに対する冷静な姿勢だ。
ゴルフはメンタルが大きく影響するスポーツ。渋野が見せる「焦らず、落ち着いて」という姿勢は、彼女が今置かれている厳しい状況を乗り越えるための武器となる。観客は、その挑戦を心から応援している。
トロントの空の下で、新しい一歩を踏み出す渋野日向子。シード権獲得、アジアシリーズ進出という目標に向かって、彼女は今日もクラブを握る。その戦いの先には、再び世界の舞台で輝く未来が待っている。
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