今シーズン、女子プロゴルファーの原英莉花は米国下部ツアー「エプソンツアー」に本格参戦し、大きな存在感を放っています。特に8月に行われた「ワイルドホース女子ゴルフクラシック」でツアー初優勝を飾ったことは、彼女にとって大きな飛躍の瞬間となりました。優勝の裏には、彼女が契約フリーという立場でありながら“すべてキャロウェイ”というセッティングで戦っていたという意外な背景が隠されています。
原は2022年からクラブ契約を解消し、自由にギアを選べる立場となりました。その中で、これまでミズノやタイトリストなど複数メーカーのクラブを組み合わせて使用してきましたが、今季はクラブ14本に加え、ボールまでキャロウェイで統一。メーカー契約がない中で“完全オールキャロウェイ”というセッティングは非常に珍しいことです。キャロウェイ担当者も「ここまで揃えて使うのは稀。それだけ製品に信頼を寄せている証拠」と驚きを語っています。
ドライバーに関してはこれまでもキャロウェイを主軸にしており、2022年は「ローグST トリプルダイヤモンドLS」、2023年は「パラダイム ツアー」、2024年は「パラダイム Aiスモーク トリプルダイヤモンド」、そして今シーズンは「エリート トリプルダイヤモンド」をエースとして使用しています。彼女は「左に行かないことが大事。構えた時に左へ行かない安心感を持てる顔のクラブを選ぶ」と語り、キャロウェイのトリプルダイヤモンドシリーズはまさに理想的な存在でした。
アイアンに関しては以前はミズノ「JPX 923ツアー」やタイトリスト「T150」を使用していましたが、現在はキャロウェイ「Xプロトタイプ」を投入。このモデルは日本の「ササキ」によって鍛造された特注のメイド・イン・ジャパン。原はその打感に惚れ込み、世界の舞台で戦う相棒に選んでいます。日本の技術を信じ、米国で成果を挙げる姿は、多くのファンに感動を与えています。
さらに注目すべきは成績面です。今シーズンは優勝だけでなく、9試合でトップ10入りを果たし、ポイントランキング4位（8月25日時点）にランクイン。この結果により、2026年からの米LPGAツアー昇格が確定しました。安定した成績の裏には、クラブ選びの徹底したこだわりと、自分自身が信じられるセッティングへの移行があったのです。
契約に縛られず、自らの感覚で選んだ結果が「オールキャロウェイ」。この選択が彼女のプレーを安定させ、勝利とランキング上位進出につながったことは間違いありません。道具を信じることで、プレッシャーのかかる場面でも迷いなくスイングできる。その積み重ねが、大舞台での強さへと直結しています。
原英莉花は、クラブセッティングを通じて自らのゴルフ哲学を体現しています。契約フリーという自由を生かし、本当に信じられる道具を選び抜く。そして、その選択が勝利という形で証明されたのです。これから待ち受ける米LPGAツアーという最高峰の舞台でも、彼女は“信じたクラブと共に”輝き続けることでしょう。
この勝利はまだ序章に過ぎません。エプソンツアーでの初優勝とLPGA昇格の確定は、彼女のキャリアにおける新たなスタートライン。原英莉花は、自らの感性とこだわりを武器に、さらに大きな夢に挑み続けます。
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