ソニー日本女子プロゴルフ選手権大会（国内女子メジャー第2戦）が、9月11日から14日まで茨城県・大洗ゴルフ倶楽部で開催され、白熱の第2ラウンドが幕を開けました。全長6840ヤード、パー72というタフなセッティングの中、選手たちは風とプレッシャーに立ち向かいながら、自らの限界に挑んでいます。
この日、主役となったのは初日から首位を快走する桑木志帆。スタート時にすでに3打差のリードを持っていましたが、前半でさらにバーディーを重ね、通算9アンダーまでスコアを伸ばしました。フェアウェイを確実に捉えるティーショット、柔らかなタッチのパット、そして自信に満ちた表情。彼女のプレーには迷いがなく、まさに独走態勢を築きつつあります。ギャラリーからも「強すぎる」「安心して見ていられる」という声が上がり、今大会の中心的存在となりました。
その背中を追いかけるのは小林光希。通算4アンダーで2位につけ、首位とは5打差。しかし、大洗の風と難しいピン位置を考えれば、まだ十分に逆転の可能性を残しています。彼女は派手さはないものの、冷静で堅実なゴルフを展開し、安定感あるプレーで観客を魅了しました。
さらに注目を集めたのは堀琴音。前半で見せた圧巻の3連続バーディーは、ギャラリーの興奮を最高潮に引き上げました。現在通算3アンダーで3位タイにつけ、18年覇者の申ジエ、金澤志奈、佐藤心結と並ぶ展開に。堀は「まだ伸ばせる」と語り、逆転優勝への強い意志を見せています。
また、ルーキーの活躍も光りました。吉田鈴は初日6位タイという好スタートを切り、この日も通算2アンダーで7位につけています。若さと勢いを武器に恐れを知らないプレーを披露し、ギャラリーの歓声を集めました。その姿はまさに“新星誕生”を予感させます。
一方で、苦戦を強いられた選手も。前週、プロ初優勝を飾った荒木優奈は、期待を背負いながらも通算2オーバー50位に沈みました。同じく2014年・2016年覇者の鈴木愛も同じ位置に留まり、決勝進出をかけて苦しい戦いを続けています。22年覇者の川崎春花は通算6オーバー101位と大きく出遅れ、悔しさをにじませながら後半に挑んでいました。
午後には、23年覇者の神谷そらや、年間レース1位の佐久間朱莉といった注目選手たちが続々と登場。特に佐久間はシーズンを通して安定感を誇っており、この大会でのパフォーマンスが年間タイトル争いにも直結します。彼女たちのプレーが、今後の順位を大きく動かすことは間違いありません。
この大会では、36ホールを終えて60位タイまでが決勝ラウンドに進出可能。つまり、第2ラウンド終了時点で大きなドラマが生まれるのです。上位を目指す者、カットラインに挑む者、それぞれの選手が自分の未来をかけて必死に戦っています。
大洗ゴルフ倶楽部特有のシーサイドコースの風は、時に追い風となり、時に選手を試すように吹きつけます。クラブ選択を誤れば、一気にスコアを落とす危険性もある。だからこそ、この舞台で安定したプレーを見せる選手は真の実力者であると言えるでしょう。
桑木志帆の独走は続くのか、それとも堀や小林が追い上げるのか。そして午後に登場する神谷そらや佐久間朱莉がスコアボードを動かすのか。国内メジャー第2戦は、ここからさらに熱を帯び、決勝ラウンドへと突入していきます。観客はその一瞬一瞬を見逃すまいと、固唾をのんで見守っていました。
日本女子プロゴルフの歴史に新たな1ページを刻むのは誰なのか。未来の女王誕生を予感させる大洗の空気は、まさにゴルフの醍醐味そのものでした。
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